こんにちは。院長の木村英樹です。
大分も急に寒くなってきましたが、皆様いかがお過ごしですか?
今日は、日本口腔感染症学会に参加した報告をします。
10月28日(日)に熊本県で行われた日本口腔感染症学会に参加しました。
今回の学術テーマは「感染症としての歯周病を考える」です。虫歯も歯周病も口腔内の感染症であることから、最新の情報や研究データなどが提示され、今後の治療に役立つ大変有意義な講演会でした。 主な内容は以下の通りです。
①口腔カンジタ症の基礎と臨床
歯周病の進行、重症度には歯周病菌だけでなく、カンジタ等の真菌類が関与してきていることが分ってきているようです。真菌類には通常の抗菌薬(抗生物質)が効きませんので、真菌が関与していることが明確になれば、抗真菌薬を使った治療により、重度の歯周病治療に効果が期待出来ると思います。この点は、各大学で様々な研究・取り組みが行われているとのことがでした。今後の研究成果に期待します。
また、舌の痛みを訴える患者さんの50パーセントにカンジタ等の真菌類が関与していているとの報告もありました。症状としては苦味を感じるのが特徴とのことです。その審査、診断、治療法の講演もあり、大変勉強になりました。
さらには、義歯(入れ歯)装着者によく見られる、義歯性カンジタ症の診査、診断、治療法についても講演がなされました。市販されている一部の義歯(入れ歯)洗浄剤には、カンジタ菌の除菌に効果がない物があるので、注意が必要とのことでした。ちなみに、きむら歯科クリニックで販売している義歯洗浄剤は、カンジタ菌にも効果がありますので御安心してお使いください。
②歯周病と早産の関係について
この点も最近盛んに研究がされているようです。熊本県において、昨年行われた妊婦の無料歯科健診事業について報告がありました。妊婦に対する健診と歯周病治療により早産が有意に減少したとの講演がなされました。この点についてはまだデータが不足しているために確証は得られていないとのことです。
しかし、妊娠中はホルモンの影響により歯周病が悪化しやすいので、歯科健診と治療は重要なことには変わりがありません。従って、妊婦歯科健診を無料にする等の行政の努力や産婦人科との連携が必要です。
熊本県と同様に大分県でも実施されると良いと思いました。妊娠中の歯科治療は、妊娠初期、中期(安定期)、後期に応じて細やかな配慮が必要です。
きむら歯科クリニックでは、先日『妊娠中の歯科治療における留意点』というテーマで院内研修を行いました。
その他
・歯科感染症に対する抗菌薬療法
・抗凝固薬と歯科治療
・骨粗鬆症と歯科治療について
最新の情報を得ることが出来ました。
日々の診療に生かして行こうと思います。